耳やしっぽでわかる猫の気持ち

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工藤 綾乃 先生 獣医師
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ねこの気持ちがあらわれる場所

普段のねこのしぐさや行動には、様々な意味が含まれており、ねこの気持ちがあらわれています。この記事ではねこのしぐさとその意味についてご紹介していきます。

ねこは自分の気持ちを、耳やしっぽ、鳴き声、しぐさや行動、視線など、体全体を通して表現しています。今回は、代表して耳としっぽについて、それぞれのしぐさがどのような感情を表しているのか見てみましょう。

 

耳のしぐさと感情

ねこは、耳を動かす筋肉が片耳だけで32もあります。ちなみにヒトは片耳に6つですので、ねこの耳がいかに発達しているかが良くわかると思います。これらの筋肉のおかげで、ねこの耳はより細かな動きをすることができます。この耳の動きによって、ねこは様々な感情を表現することができるのです。

耳が正面を向いている

耳が力んでおらず、正面を向いて立っている状態がねこにとってのニュートラルな耳の位置です。

耳をピンと立てている

ねこが何かに注意を向けていたり、物音がしたりしたときに耳をピンと立てます。左右の耳がばらばらに動くこともあれば、より注意を向けているときには顔も音のする方を向けて耳も同じ方向に向けてしっかりと立てます。

耳を細かく動かす

耳がくるくると細かく動いているときは、何かを探っていることを表しています。聞きなれない音がしているのかもしれません。

耳を平たく伏せる

耳をぺたんと頭につけるようにしているとき、ねこが不安や恐怖を感じていることを表しています。ねこが怖がっている対象を取り除いてあげるなどして、ねこのストレスとならないようにしてあげましょう。

耳を少し外・横に向ける

怒っているときと似た形ですが、リラックスしているとき、耳が少し外側を向きます。眠そうにしているときなどにもこの耳のしぐさが見られます。このときはねこをなでたり抱っこしてあげたりしても問題ないでしょう。

耳を後ろに向けている

構ってほしくないときやおびえているとき、怒っているときに、いわゆる「イカ耳」の形になります。無理に触ろうとすると攻撃してくることがあるので、そっとしておいてあげましょう。

しっぽのしぐさと感情

子ねこのときは母ねこにアピールしたり、バランス感覚を保ったりするためにも重要な役割をはたすしっぽですが、それぞれのしっぽの動きがどのような感情を表しているのか見てみましょう。

しっぽが自然と垂れている

しっぽを振ったり上げたりすることなく、自然に垂れているときは、ねこがニュートラルな状態であることを示しています。

しっぽが垂直に立っている

嬉しいときや、敵意がなく友好的であることを示しています。遊びたいときや甘えているときにも見られます。しっぽを立てたまま震わせることもありますが、これは嬉しいというサインです。

しっぽを足の間に巻き込む

恐怖を感じているときにこのようなポジションになります。何におびえているのかを見つけ、ねこを安心させてあげましょう。また、体調不良や元気がないときにも見られることがあります。

しっぽをぶんぶんと動かす

しっぽを床にたたきつけるように動かしたり、素早く大きく動かしたりしているときは、機嫌がよくなくてイライラしていたり、戦う相手をみつけたりしたときを表しています。この状態のねこに下手に触ると攻撃されることがありますので気をつけましょう。

逆にゆらゆらとゆっくり、小さく動かすときは、リラックスしていたり、のんびりしていたりしているときです。

しっぽを膨らませている

毛が逆立ち、しっぽが一回りも二回りも大きく膨らむのは、ねこが威嚇をしているとき、驚いたとき、恐怖やショックを感じたときなどです。

しっぽを体に巻き付ける

警戒しているときや、体調が悪いときに見られます。食欲があるか、元気があるかなど注意し、いつもと様子が異なるときには病院で獣医師に相談しましょう。

ほかにも、様々な感情がしっぽの動きに現れます。以下のイラストを参考にしてください。

耳やしっぽの他にも、初めに述べたように、鳴き声や視線、寝相、甘噛みといった様々な行動やしぐさを通してねこは感情を表現してくれています。ちょっとしたしぐさの変化で、ねこがどのような気持ちなのか想像してみると、より一層愛おしく思えてくるかもしれませんね。

この記事を監修した人
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工藤 綾乃 先生 獣医師

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。

発行・編集:株式会社トレッタキャッツ

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