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不適切な排便について

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

不適切な排便とは

ベッドやソファーの上などでねこがウンチをしているのを見つけたことはあるでしょうか?このようにトイレ以外の場所で排便することを不適切な排便といいます。また、不適切な排尿をするねこは不適切な排便もすることが多いことが報告されています。

これら二つの原因は同じことが多いので、解決策を探っていきましょう。

 

原因

ねこの不適切な排便に困っている場合は、次のどれに当てはまるのか考えてみてみましょう。不適切な排便をしてしまう原因を見つけるヒントになるかもしれません。

いつもトイレ以外のところで排便する

ねこはトイレの環境に敏感です。トイレが汚れている場合や、十分な数のトイレがない場合、ごはんを食べる場所と同じところにトイレがある場合、トイレがある場所が安心できない場合、トイレの大きさが十分でない場合などが原因で、トイレで排泄をするのを嫌がっている可能性があります。また、一度もトイレで排泄したことが無い場合は、根本的な原因としてねこがトイレを認識していない可能性もあります。

今まではきちんとトイレでしていたのに急にトイレ以外の場所でするようになった

急な環境の変化(家族が増えた、他の同居ねこが増えた、引っ越しをしたなど)によってねこが不安を感じていると粗相をしてしまうことがあります。他にも、以前トイレに行ったときに怖い目にあう(大きな音がした、他のねこに襲われた、など)と、トイレに行くこと自体が不安になってしまってトイレに行けなくなってしまうねこもいます。

不安以外にも、トイレに行くのに階段を上らなければならない場合や、トイレの入り口が高くなっている場合、足が痛い、高齢である、といったことが原因でトイレに行けなくなってしまっている可能性があります。その他、排泄回数が多い、下痢便、血便など、いつもと違う様子がある場合は病気のために粗相をしてしまっているのかもしれません。

特定のとき(飼い主が不在のときなど)のみトイレ以外の場所で排便する

いつも側にいた飼い主が急にいなくなると不安になり、不適切な排尿という行動に結びついてしまうことがあります。こういう時に粗相をするな、という決まったパターンが無いか注意して観察してみましょう。

 

対処法

トイレを認識していない(トイレの場所を覚えていない)場合

トイレを覚えさせるために、まずはねこが排泄するタイミングでトイレに連れていきましょう。その後は排泄物のにおいをトイレに残しておくことで、トイレの場所を認識しやすくなります。また、粗相してしまった場合はにおいが残らないようにしっかりふき取ることも大切です。

ちなみに、粗相してしまっても叱ってはいけません。ねこが排泄を我慢するようになったり、隠れて排泄するようになったりして、状況が悪化してしまう可能性があります。

トイレの環境が整っていない場合

トイレはきれいな状態を保つようにする、トイレの数を増やす(理想はねこの数+1個)、トイレの大きさや猫砂を変えてみる、などを試してみましょう。トイレの場所を食事場所から離す、落ち着いた場所に変える、2階にあったトイレを1階におろす、などトイレのある環境を変えてみるのも良いかもしれません。

ねこが不安を感じる原因がある場合

ねこが不安を感じる要因を取り除いてあげることが良いのですが、どうしても取り除くことができない場合もあるでしょう。例えば家族が増えるのであれば、ねこだけのスペースを確保する、ねこと一緒にいる時間を増やすといった対策をとり、出来るだけねこを安心させてあげるようにしましょう。

病気が考えられる場合

下痢や血便が見られる場合は、消化管などに問題がある場合があります。また、排泄時に痛みがある(肛門周囲の痛み、排泄姿勢をとるときの関節の痛みなど)とトイレに行かなくなることがあります。ねこの周りの環境を整えても不適切な排便が改善されない場合は、獣医師の診断が必要になります。

 

参考文献:

1. Common Risk Factors for Urinary House Soiling (Periuria) in Cats and Its Differentiation: The Sensitivity and Specificity of Common Diagnostic Signs. A.M. Barcelos, et al. Front Vet Sci. 2018.

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。