ねことのスキンシップについて

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工藤 綾乃 先生 獣医師
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ねこの性格はさまざま

社交的なねこ、内気なねこ、好奇心の強いねこ、警戒心の強いねこ、ねこによって性格は様々です。ちょっとしたおもちゃで熱中してずっと遊んでくれるねこもいれば、おすすめや人気ナンバーワンとかかれたおもちゃで気をひこうとしても、全く乗り気になってくれないねこもいます。スキンシップにしてもそうで、そもそもの性格でひとからのスキンシップを受けいれてくれるねこと受けいれてくれないねこがいます。

スキンシップを好むねこの特徴としては、かまってほしいアピールがわかりやすいことがあります。たとえばすり寄って鳴いたり、体をこすりつけたり、何か作業していたら中断させるように乗ってきたりすることなどがあります。

スキンシップ好まないねこでは、リラックスするときは人から少し距離があったり、触ろうと近づいたりするとちょっと移動したりする素振りがみられます。ちなみにスキンシップを好む、好まないにかかわらず、まだおうちに迎えて日が浅いねこや、保護したねこなど、常に物陰に隠れてしまうようなねこは、ひとに対する警戒心が強いことから、スキンシップ以前に緊張を解いてひとに慣れてもらうための時間が必要です。みなさんの家のねこはどちらでしょうか。普段の仕草をすこし思い浮かべてみて下さい。

 

スキンシップを取りたい合図

スキンシップの好きなねこであっても、タイミングは大事です。触りたいと思ったり、スキンシップを取りたいと思っても人からの一方的なものでは嫌われてしまうのは当然です。かまってほしい、甘えたい気分なときにはねこ自身から近づいてきてゴロンところがったり、すり寄って鳴いたりする仕草がみられます。ねこがスキンシップを取りたい気分になったり、ねこから寄ってきたりするまでじっと待ちましょう。最適なタイミングであればねこは力を抜いて手足を伸ばし、リラックスして体を預けてくれます。

 

おすすめのスキンシップ

ねこにとって触られると気持ちいい、触られるのが好きな場所は顔回りです。特に耳の裏、顎やのどなどの首回り、頬といった箇所を好むねこが多いです。逆に好まない箇所としてあしの先、尻尾、おなかなどがあげられますので参考にしてもらえたらと思います。

長毛のねこではブラッシングは大切なスキンシップのひとつです。ねこはきれい好きなのでよく自分の体をなめて整えますが、もつれて毛玉になったり、フケや皮膚炎の原因になったりしてしまうので長毛のねこでは人の手が欠かせません。日々のケアとして積極的に行いましょう。

ねこの好む場所をマッサージしてあげることもおすすめのスキンシップです。小さなできものなどは毛に埋もれてわかりづらいことも多く、体を撫でていて偶然発見されることもあります。とくにメスのねこで腹部や脇の、乳腺の近くにしこりがある場合もあり、乳腺腫瘍の可能性もありますので早期発見することが治療や予後に大きく影響します。

直接からだに触る以外に、おもちゃを使って遊んであげることもねこのストレスを減らすことにつながります。特にねこは縦の動きをつけて上下にジャンプをさせてあげると運動量が多くなり、運動不足の解消になるのでおすすめです。

また、どういったスキンシップであってもねこが飽きたり嫌がるようになるまで長時間やりすぎることは禁物です。ねこの様子をよく観察して、ほどよいところできりあげましょう。

やってはいけないスキンシップ

ねこがスキンシップを取りたいような気分でないとき、嫌がって逃げるようなときに追いかけて無理やり抱くようなやりかたはお勧めできません。逃げるからといって尻尾を掴むこともよくないです。大きな声や音を出したり、ねこが驚いて怖がってしまうようなこともねこが警戒してストレスを感じてしまいます。

この記事を監修した人
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工藤 綾乃 先生 獣医師

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。

発行・編集:株式会社トレッタキャッツ

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