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ねこの膿皮症について

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

膿皮症とは

膿皮症(のうひしょう)とは、皮膚の細菌感染症のことで、一般的にねこでは稀な皮膚の病気です。膿皮症は細菌感染が起こる場所によって、表面性(皮膚表面の感染)、表在性(皮膚内部の感染)、深在性(皮下の感染)の三つに分けられます。


膿皮症の原因となる細菌は、正常なねこの皮膚の表面にも存在しているブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が多いです。健康なねこであれば、こういった細菌が異常に増殖することを抑えることができるのですが、免疫力が低下したねこでは膿皮症を発症してしまいます。

 

症状

膿皮症は顔面を始め、首や脚、お腹などを含む全身の皮膚に起こり得ます。次のような症状が見られた場合は、膿皮症を発症している可能性もあります。

かゆみや痛み、赤みを伴う皮膚病変

腫れもの、膿疱(のうほう:膿が中にたまったできもの)

部分的な脱毛

かさぶた 

皮膚をなめる様子 など

原因

ケガや、痒みによりねこが過剰に皮膚を掻いてしまうことによって皮膚が傷ついてしまうと感染症のリスクが高まります。その他、皮膚を守るバリアを壊してしまうような他の病気にかかっていると、その部分から細菌が感染してしまい、二次的に膿皮症が起こることもあります。

ノミ、ダニや食品などに対するアレルギー

皮膚の痒みによって傷がつきやすかったり、免疫のバランスが崩れていたりする場合があります。

暖かく、湿度の高い環境

細菌が繁殖しやすい条件が揃っていると、膿皮症となってしまうことがあります。特に皮膚にひだができている部分は、清潔に保つことが難しく、湿ったままになっていると膿皮症となるリスクが高いです。

ニキビダニや真菌に感染しているねこ

ダニや、真菌(いわゆるカビ)に感染することで、皮膚のバリアが壊れてしまっており、その部分から細菌が感染しやすくなります。

免疫力の低下

ストレスがかかっている、免疫不全疾患にかかっている、といったねこの場合は膿皮症を発症するリスクが高いです。

その他、甲状腺機能亢進症糖尿病などの内分泌疾患に罹っているねこも膿皮症を発症する可能性があります。

 

診断のために行う検査

膿皮症の診断には、皮膚の見た目の変化や病変が重要です。また、病変のある皮膚の一部を顕微鏡で観察し、その部分に炎症に関連する細胞や細菌を見つけることで行われます。

膿皮症を引き起こした原因が他にある場合(アレルギーや内分泌疾患、寄生虫感染など)、それらに対する検査も行います。

 

治療・予防

膿皮症は、適切に治療すれば予後は良好な病気です。
抗菌シャンプーや抗生剤の外用薬を使用し、表面の汚れや細菌を落とします。また、特に表在性や深在性膿皮症の場合は、全身をターゲットとして抗生物質を投薬します。

膿皮症の治療で大事なことは、膿皮症を引き起こした原因が他にある場合(アレルギーや内分泌疾患、寄生虫感染など)、それらに対する治療を行う必要があるということです。これらの根本にある原因が無くならないと、膿皮症が再発する可能性が高くなります。

膿皮症の予防として、定期的にブラッシングをしてあげると良いでしょう。膿皮症を含めた皮膚病の予防につながりますし、病変の早期発見も可能になります。

 

参考文献:
1. Feline pyoderma therapy. BE. Wildermuth, et al. Clin Tech Small Anim Pract. 2006.
2. Feline superficial pyoderma: a retrospective study of 52 cases (2001-2011). HW. Yu and LJ. Vogelnest. Vet Dermatol. 2012.

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。