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ねこのSOS

獣医師が監修しました
工藤 綾乃 先生

獣医師

ねこの体調のサイン

喉をならしてすり寄って甘えたり、耳を立てて目を開いて警戒したり、言葉はしゃべらなくともねこはその行動からわたしたちに様々なことを伝えてくれます。ときには体調不良を伝えようとすることもあります。たとえば、いつもと比べて元気がない、活動性が下がる、食欲や水を飲む量の低下あるいは過剰という変化だったり、排便排尿したときの便・尿の色や性状の変化、呼吸の様子や歩き方の変化などが挙げられます。また、見た目の変化として、痩せて骨ばった体型になってきたり、脱毛したり毛質の悪化がみられることもあります。

どういった変化がなんの病気のサインなのか、ねこからのSOSサインを見落とすことのないよう、注意すべきポイントなどをご紹介していきたいと思います。

 

観察するときのポイント

どういった症状であれ、

①いつからなのか、何かきっかけになるようなことはなかったか

②普段と比較してどうか

③時間経過とともにどういった変化をしているか

について注目することが大事です。

 

たとえば食欲低下の場合を考えてみましょう。

①何日前くらいからごはんを食べなくなったのか、フードの変更や来客などストレス要因はなかったか

②普段の食欲を100%とすると何%くらいしか食べなくなっているのか、あるいはおやつやおいしいものならたべるのか、何であっても全く受け付けないのか、量は食べるが時間がかかっているのか 

③日に日に食べる量が減っていくなど悪化傾向にないか、食欲不振以外に下痢や嘔吐といったほかの症状も出てきていないか

などがあげられるでしょう。

また、逆に飲水量が増える場合も糖尿病や腎臓病といった病気の可能性があります。飲水量が増加する際、尿量の増加も伴うことが多く多飲多尿と呼ばれます。飲水量、尿量については客観的に調べることができるため、トイレの回数が増えたりよく水を飲むなと感じた時に普段と比較ができるよう、一度計測してみるとよいでしょう。飲水量の計測方法ですが、まず計量カップで測って水をいれます。一日の終わりに捨てる際にも再度測り、差し引いたものが飲水量になります。尿量は、使用後のペットシーツの重さから新品のペットシーツの重さを引くことで求められます。固まる砂を使っている場合は例えば50mlの水を入れてみて、その大きさと比較することで求めることができます。

飲水量・尿量の測り方

こういった様々な行動の変化がねこの体調を把握するために大事なこととなるため、一番近くで過ごしている飼い主さんからの情報は大変重要です。些細なことであっても獣医に伝えるようにしましょう 。

 

緊急性のある症状

ここからは、様々な行動の変化の中でもねこの体調変化を捉えるうえで、特に重要な緊急性の高いものを挙げていきます。

意識の低下

ぐったりして呼びかけなどへの反応が落ちているときは昏睡状態にあります。低血糖、脳神経の病気やショック状態の可能性もあります。

けいれん発作

意識を失って足をばたつかせたり、のけぞって震えるような発作の症状がみられた場合、脳神経の病気、低血糖、ミネラルバランスの崩れ、中毒症状などが考えられます。発作時間が長いと脳に不可逆的なダメージが残ることがあります。

呼吸困難

心臓病、呼吸疾患などが考えられます。特に横になれないほど苦しく、胸を広げて首をのばすような呼吸や口を開けての呼吸をしているときは、容体が急変する恐れがあることから注意が必要です。

立てない

痛がる鳴き声とともに四肢が動かなくなる場合、血栓塞栓症の可能性があります。血栓症は治療開始までの時間がその後の回復速度に影響します。立てない様子がみられたら、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。

尿がでない

尿道閉塞が考えられ、時間が経つと腎臓や心臓へ障害をおこします。特にオスで多い症状となります。

何度も繰り返し吐く

異物による腸閉塞や中毒の可能性があります。

 

ねこからのSOSを見逃さない

「なんとなく元気がないけど年のせいかな?」「嘔吐があるけど、よく毛玉を吐くし問題ないかな?」など、病気かどうかわからないこともあるかと思います。そういったときはいつもと比べてどうかなのかを振り返って考えてみてください。ささいな違和感であっても、ねこが飼い主だけにみせる小さなSOSサインの可能性があります。判断に迷った時は、病院へ相談してみるのも一つの選択肢になります。

  

監修者

工藤 綾乃 先生 (獣医師)

札幌出身。地元の北海道大学を卒業後、関東の動物病院で勤務。腫瘍症例の治療に携わるなかで、より効果的な治療を見つけたいと考え、現在は麻布大学博士課程に在籍中。ねこと暮らしながら実験漬の日々を送っている。専門や興味のある分野は、がん、麻酔・集中治療、野生動物臨床など。