ねこに水を飲んでもらうためのポイント。水飲み場や容器の工夫について

からだの構造上、腎臓に負担がかかりやすいねこにとって、水を飲むことはとても大切。今回は、ねこに水を飲んでもらうために実践したいポイントをお伝えします。暑くなるこれからの時期に向けて、ぜひトライしてみてくださいね!


なんで水を飲んだ方が良いの?

ねこの先祖であるリビアヤマネコは、砂漠地帯で暮らしていたため、水を飲まなくても生きていけるからだの構造をしていました。そのため、脱水に強く、あまり水を飲まないねこも多くいます。

しかしながら、あまりにも水を飲まないと、泌尿器に負担がかかり、尿石症(尿路結石症)や膀胱炎を引き起こしたり、腎不全などの病気にかかってしまったりすることがあります。そのため、適度に水を飲んでもらう必要があります。

水を飲んでもらうポイント1
「水飲み場を増やす」

ポイント
・数は出来る限り多く置く(多ければ多いほど良い。少なくともねこの頭数以上は必ず用意する)
・よく歩いているところに置く
・容器は1か所にまとめてではなく、色々なところに置く
・飲んでもらえなくても続ける

水飲み場の数は、多ければ多いほどねこたちが水を飲むことが研究などでわかってきています。

また、普段ねこちゃんがよく歩いたり通ったりする場所に置くのがおすすめ。よくいるところから水飲み場の位置が遠いと「まあ飲まなくていっか」と面倒で飲みにいかない…なんてことも(ご飯のついでにあるから飲んでおこう、などというシーンをみかけることはありませんか?)。

新しい水飲み場を増やした場合は、最初は警戒してなかなか飲んでくれない慎重派のねこもいますが、置き続けることである日を境に急に飲みだすことがあるので、まずは続けてみましょう! LINE相談では、こちらの方法で長年悩んでいた便秘が解消されたねこちゃんも

水を飲んでもらうポイント2
「新鮮な水を!」

ポイント
・少なくとも毎日替えてあげる
・夏場は特に回数を増やす
・汚れていたらすぐに取り替える

ねこも新鮮な水が飲みたい生き物。何日も替えていない水は、細菌が増えてしまい胃腸炎などの原因にもなりえます。きれい好き、グルメなどと言われるねこは、汚れていたり古くなった水は全く飲まない子もいます。ねこは替えて欲しくても、水を替えられるのは飼い主様だけ。健康のためにも、こまめに水を替える習慣をつけましょう!

水を飲んでもらうポイント3
「容器・給水器にも気を遣う」

ポイント
・容器・給水器はいつも清潔に
・容器の材質は何が良い?
・流れる水と置き水、あなたのねこちゃんはどっちがタイプ?

せっかく水が新鮮でも、容器が汚れているなんてことがあったら、きれい好きなねこにとってはストレスですよね。容器も1日1回など、出来る限り洗ってあげましょう。

また、容器の材質もプラスチック、ステンレス、陶器などなど様々です。プラスチックは安価ですが劣化が早く汚れやすいため、汚れてきたら新しいものを買ってあげましょう。ステンレスは容器自体は悪くなりにくいですが、キラキラ光るのが気になって怖がってしまうねこもいます。私(浅見)のおすすめは陶器で、ねこが好み、飲んでくれやすいと言われています。とはいえ、ねこそれぞれ好みがありますので、たくさん用意してみて、ねこちゃん選んでもらうのが良いでしょう。

近年は、水が流れるタイプの給水機も多く出回っていますが、置き型のタイプとどちらが良いのでしょうか。実験したデータによると、統計上ではあまり変わらなかったそうです。個体差はあるようで、流れるお水を好むねこ、置き型派のねこがいて平均すると同じくらいなんだとか。あなたのねこちゃんはどっち派か、よくみてあげて、好きな方またはどちらも用意してあげるのが一番ですね。


こういう子はきっと流れるタイプ。Photo by Kazuky Akayashi on Unsplash

コラム

LINE相談にて、「水を飲んだあとケホケホと咳込む」といった相談が来ることがあります。病気かも…と心配ですよね。これは、容器の高さが関係している可能性があります。まずは容器の高さを、ねこちゃんの胸の高さくらいまで調節してみましょう。頭を低くして屈んで飲む状態は、誤って気管に入ってしまうことも多く、ねこが咳込む原因になります。こちらの改善で咳込むことが減りました!という嬉しいお返事を頂けることも多いです。

変更したあとも咳込むことが続くようでしたら、病気の可能性もありますので、早めに動物病院で受診し、かかりつけ医に相談することをおすすめします。


ねこの健康な暮らしのために非常に大切な水。最近はおしゃれな容器もたくさん売っていて、選ぶのも楽しいですよね。ねこちゃんの好みを探りながら、健康なねこライフを送りましょう。

この記事を書いた人

浅見 優樹

トレッタねこ病院 院長
浅見 優樹

北里大学獣医学部獣医学科 卒業、College of Veterinary Medicine Purdue University International Clinical Rotation Extern 修了。都内ねこ専門病院で毎日ねこの診療に従事する傍ら、多数の保護ねこの処置も経験。現在、トレッタねこ病院院長。

ひとこと
山間の小さな町に生まれ小さい頃から動物に囲まれて育ちました。ねこちゃんはもちろん動物のことが大好きです。今は保護ねこと飼育放棄犬とともに暮らしています。常にねこちゃん達への親しみのこもった優しい診療、治療、また飼い主様への丁寧な説明を心掛けています。ねこと人が健康で幸せな未来をトレッタとともに創れますように。

宮城 太輔

トレッタねこ病院 獣医師
宮城 太輔

北海道大学獣医学部獣医学科 卒業、京都府の動物病院にて約4年間小動物臨床医として勤務。

ひとこと
ねこちゃんも長寿化が進んできておりますが、長く健康に過ごしてもらいたいものですね。ねこの健康寿命を伸ばすためには、健康管理、予防医療、病気の早期発見・早期治療、疾患のコントロールの正確化、などを実現していく必要があります。テクノロジーの力がこれらをより身近かつ手軽な形で実現していく。そして、人とねこの幸せが増えていく。そんな未来をトレッタと一緒に作っていきたいと願っております。