新たにねこを迎え、多頭飼いをはじめる方へ。ねこ同士の相性、対面のさせ方

すでにねこを飼っていて、新たにねこを家族に迎え入れたいと思ったときに知っておきたい、ねこ同士の相性。相性を考慮しないと、新たに迎えたねこ・先住ねこともにストレスが溜まってしまい、健康にも悪影響を及ぼしてしまうことがあります。

今回は、飼い主として考慮しておきたい、ねこ同士の相性についてお届けします。


ねこ団子、1度は憧れますよね


ねこの性格もねこそれぞれ。「ひとりっこ」タイプもいる

ねこの譲渡会などに行くと、多頭飼育をお考えの場合は、はじめから多頭でのお迎えをおすすめされることがあります。最初にとりあえず1頭お迎えし、「ねこちゃんがひとりで寂しそうだから新たにもう1頭お迎えしよう!」などと思った時に、大変苦労するケースが多いからです。

ねこの特性から、環境が変わると“借りてきた猫”状態になってしまい、1週間くらいは本来の性格が見えない“猫をかぶっている”状態になることがほとんどです。慣れるまでにもっと長い月日を必要とするねこもいます。また、いわゆる「ひとりっこ」タイプのねこも存在します。このタイプのねこは、他のねこがいると隠れて出てこなくなったり、重症化すると隠れている場所でトイレをしてしまったりするので、ずっと単頭飼育が向いていると言われています。

そういったことを見極めるために、期間を決めてねこを迎え入れる「トライアル」を行っているところもあります。


1頭だけ迎えるつもりが、2頭の仲良しなようすを見て引き離せず、2頭迎え入れてしまったというエピソードも

新たにねこを迎えるときに知っておきたい、先住ねことの相性

考慮したいポイント
※すべて性格にもよるので、あくまでも「参考」としてご理解ください。

・性別:異性同士の方が良い
・年齢:近いほうが良い
・性格:先住ねこが「ひとりっこ」タイプの場合は、他のねこが入ってこないスペースを。先住ねこが人にべったりな場合には、「つん」タイプの新入りねこを。

性別について

一般には女の子がいるおうちには男の子、男の子がいるおうちには女の子と言われていますが、同性でも仲良くなることもあります。性格によりますので、先住ねこちゃんの性格をよく把握し、新入りねこちゃんの性格もよく聞いて、じっくりと考えてあげましょう。

年齢について

年齢は近いほうが良いとされています。主な理由はごはんです。例えば、シニアのねこちゃんはごはんを少しずつ何回にも分けて食べる傾向があるので、置き餌をしていたとします。そこに食欲旺盛な若い新入りねこちゃんをお迎えしたら、置き餌を全部食べてしまうことがあります。ごはんの時はお部屋を分けるなどの工夫が必要です。年齢が離れていても、新入りねこちゃんも同じタイプの食べ方であれば、この点は心配無用です。

性格について

先述の「ひとりっこ」タイプのねこは、自分のテリトリーに他のねこが入ってくるのを好まず、かと言って積極的に追い払うわけでもなく、静かであることが多いです。先住ねこちゃんがひとりっこタイプの場合は、「他のねこちゃんが入ってこないスペース」を与えてあげるのがいちばんです。また、いつも人のお膝に乗っているような人にべったりなねこちゃんは、他のねこちゃんとお膝の取り合いになる状況になると、ストレスが溜まって問題行動を起こす場合もあります。新入りねこちゃんに別の人のお膝を割り当てたり、あまり人にベタベタしていないタイプの「つん」なねこちゃんをお迎えすると良いと言われています。

新入りねこを迎えるときの鉄則とは?対面させる手順

新たにねこちゃんをお迎えした場合、先住ねこちゃんを優先することが鉄則です。基本的に初対面のねこ同士は警戒します。中には大声で鳴いたり、威嚇をしたりするねこちゃんもいます。順序を守ってゆっくりと慣れてもらい、1ヶ月後には仲良く一緒に寝ているなんてこともありますので、焦らずゆっくり、ねこちゃんペースに合わせて慣らしてあげてください。

新入りねこちゃんは、最初はケージや別部屋にするなどをして、直接触れ合わないようにします。ケージの場合は布などをかけて、お互い見えないようにしておきます。お互いの匂いを嗅いで、威嚇をしないようになったら直接触れる機会を作ります。この時も急に取っ組み合いになることもあるので、少しずつ進めてください。

出会ったときから付かず離れず

また、春先は子ねこが生まれるシーズンでもあり、外にいたねこを直接保護しておうちに迎えられることもあると思います。その場合は、まずは動物病院で先生にしっかりと診てもらいましょう。外にいたねこちゃんにはノミ・ダニ・内部寄生虫がいる可能性が高く、おうちに入れてからすぐに先住ねこちゃんと接触をしてしまうと、あっという間にうつってしまいます。月齢によってはワクチン接種などの必要もありますので、先生に診てもらうまでは、先住ねこちゃんと直接接触させないようにしましょう。

先住ねこのようすがおかしい場合

やたらと布をかじるようになった、トイレ以外のところでおしっこをするようになった、新入りねこに飛びかかるようになった、隠れてしまって出てこなくなったなど、先住ねこちゃんに変化が起きたら要注意です。おうちに帰って最初に撫でるのは先住ねこちゃん、先にご飯をあげるのは先住ねこちゃんからなど、先住ねこちゃんをあからさまに優先してあげると、直ることもあります。

どうしても先住ねこちゃんのようすが戻らない場合は、新入りねこちゃんをケージの中に入れたり別部屋にして、ようすを見ながらゆっくりと距離を縮めてあげてください。もともと知らないねこ同士が仲良くなるのは時間がかかることですので、焦らず、ねこちゃんたちのペースで距離を縮めるようにしてあげることが大切です。


以上、多頭飼いをはじめるときに考慮しておきたい点について解説しました。すべてのねこちゃんが幸せに暮らせるよう、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事を書いた人

嬉野 千鶴

キャット・エバンジェリスト
嬉野 千鶴

東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。デザイナーとして勤務する傍ら、保護ねこ活動を継続。保護ねこカフェの店長を3年間勤めた後、トレッタキャッツのマーケティング部のエバンジェリストに。ねこの健康管理の大切さを広める役割を担っている。保護ねこカフェ時代は200匹以上の譲渡を手掛け、自宅でも10匹以上の保護ねこと暮らす。

ひとこと
常に保護猫・保護犬がいる家庭環境で育ち、どういうわけか子供の頃から捨てねこと遭遇する機会が多く、そのたびに里親さんを探していました。どんな命も平等で同じ重さです。ねこのQOLも人のQOLも上げることができる物や事を、これからもお伝えしていければと思っています。