命に関わる症状も引き起こす尿石症(尿路結石)。予防のポイントはフードと水

獣医師監修(トレッタねこ病院)

ねこの泌尿器疾患のうち、動物病院の来院理由として膀胱炎と並んで多くみられるのが尿石症(尿路結石)。放っておくと命に関わる症状も引き起こす、重要な症状と予防について解説します。

尿石症とは?

ねこは、水を飲む量が少なく、膀胱におしっこを貯めておく時間が長いため、膀胱や腎臓、尿管、尿道などに「尿石」とよばれる結石ができやすい傾向にあります。この尿石ができている状態が「尿石症」。尿石ができると膀胱炎の原因になったり、尿道や尿管を塞いでしまうと命にかかわる症状を引き起こすこともあります。

尿石の位置や状態によって、以下のような様々な状態を引き起こします。

膀胱炎
・尿道閉塞(結石が詰まり、尿道を塞いでしまう状態)
・尿管結石(結石が詰まり、尿管を塞いでしまう状態)
・尿毒症(体外に排出されるべき老廃物が体に溜まってしまう状態)
・腎機能の異常

尿石症の原因となる結石の種類と特徴

ねこの尿石症の原因となる結石は、大きく分けて2種類があり、それぞれでできやすい条件や原因、治療方法が異なります。

ストルバイト結石

・おしっこがアルカリ性になると形成されやすい
・療法食で溶かすことができる
食事の影響が強いと考えられている
・若いねこにできやすい

シュウ酸カルシウム

・おしっこが酸性になると形成されやすい
・療法食では完治は期待できず、外科的手術が必要
・最近、増加傾向にあると言われている
・高齢のねこにできやすい

結石の写真
左:尿検査で認められたストルバイト結晶
写真提供:小笠原聖悟先生(小笠原犬猫病院、IDEXX )
右:手術で膀胱から摘出された尿結石
写真提供:米地謙介先生(奈良動物二次診療クリニック)

結石の種類には上記以外もありますが、上記で90%を占めているとされています。最近ではシュウ酸カルシウムが増えてきているといわれています。

尿石症の検査と治療方法

以下のような検査から原因を判定します。

・尿検査:pHなどの尿の性状の確認、結晶・細菌の発見など
・超音波検査:膀胱や尿管、尿道の状態の精査、結石の大きさの確認
・レントゲン検査:結石の位置・大きさの確認

※状態により検査の内容が変わる可能性があります。

ストルバイト結石の場合は食事療法食が中心になります。結石を溶かす療法食や予防用の療法食など種類がありますので、獣医師に説明をよく受けてから与えましょう。通常のキャットフードで、「下部尿路ケア」などと書かれたものは治療用のフードとは異なりますので、注意しましょう。

シュウ酸カルシウムの場合は外科的摘出が必要になります。まずは動物病院で検査をしてもらい、治療についてかかりつけ医とよく相談をしましょう。

尿石症の予防、再発を防ぐためには?

尿石症の予防には、以下が効果的です。

・お水をたくさん飲んでもらう
・結石用の療法食を与える
・にぼしなどカルシウムやミネラルが多いものは控える

結石は尿が膀胱に貯留する時間が長いことが原因で形成されやすいため、種類に関わらずたくさんお水を飲んでもらい、排尿してもらうことで膀胱の洗浄効果も期待できます(お水を飲んでもらうようにするポイントはこちらの記事で解説しています)。また、獣医師と相談の上、予防のために療法食を与えることもおすすめです。にぼしなど結石の原因となるミネラルの多いおやつも健康のために控えましょう。

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